名古屋・東京の空間ブランディング・店舗デザイン事務所 コムデザインラボ

愛知県大府市の農家 大府南いちごファーム インタビュー

No.07
大府南いちごファーム
Strawberry farm in Obu minami
話し手
owner
話し手
大府南いちごファーム
オーナー夫妻
大嶋 厚徳・優子
厚徳さんが40才のときに「何か起業したい」という思いで脱サラし、就農研修、大手いちご狩り園での修業を経て、2012年に「大府南いちごファーム」を開業。厚徳さんが主に栽培を、優子さんはいちご狩りの接客のほか、ファームオリジナルのゼリー作りも担当。
聞き手
interviewer
聞き手
ライター
後藤 麻衣子
名古屋・岐阜で活動するコピーライター・編集者。情報誌の編集・印刷媒体の企画を経験したのち独立。2015年には工業デザイナーの夫と「株式会社COMULA」をスタートし、自社オリジナルブランド「句具」の運営も行う。いちごが大好きな3才と5才の男児の母。
#07-3

納得のいくものづくりができた
「いちごバター」

大府南いちごファームさんの「わたしのいちごバター」、全国的にも話題ですよね。
テレビで紹介されていたのを拝見しました!
ありがとうございます。
そうそう、まずは食べないとわからないんで、「いちごバター」ぜひ食べてみてください。
わあ、嬉しいです。いただきます!
・・・・・いちごバターたっぷりのパンを
いただきます・・・・・
すごい軽やか、なのに濃厚ですね。不思議な感じ。
とてもおいしいです。
よかった!
バターが想像以上にふわふわで、でもバターのコクが感じられて、
いちごの果実感もしっかりあって。
繊細な果実の香りが引き立つから、生パンがすごく合います。
そうなんですよ。
トーストに塗るのもいいんですが、僕も、どちらかというとトーストしていないパンに塗る方が好きです。
なんか、もっとジャムっぽいのかと思ったんですが、かなりスイーツ感がありますね。
生クリームのような口溶けのよさ、なめらかさもあって…。
ありがとうございます。
そこを目指してつくったので、嬉しいです。
ふわふわでコクのあるバターに、生のいちごを潰して今混ぜました!
みたいなジューシー感がすごい。
それが瓶に詰まっているという不思議…。これは人気出るはずだ…!
このいちごバターは、どんなきっかけで生まれたんですか?
妻が通っている美容院で美容師さんに「今、いちごバター流行ってますよね」って
言われたのが小さなきっかけで、そのときに「いちごバター」の存在を知りました。

調べてみると全国にいろんないちごバターがあったので、取り寄せて試食してみたんです。
それで、ゼリーを一緒に開発したパティシエの方に
「バター感の強いいちごバターをつくりたい」と相談して、開発をはじめました。
せっかくつくるなら、いちごもバターもたっぷり使って、
他にはない「本物のいちごバターを作りたい」と思って開発し始めました。
何度か試作を繰り返して、理想の味にたどり着きました。
食べたことない感じでした。これはおいしい!って。
いちごとバターってこんなに合うんだ、って思いましたね。
いちごバターには、どんないちごを使っているんですか?
品種は「章姫」と「よつぼし」の、両方使っています。
市場に出回らないようなB品を加工しているということですか?
いいえ、それが、出荷できるようないちごばかりなんです。
業者さんに「これ加工するの?このまま売れるのに…」って、いつも言われてます(笑)。
前回のゼリーもそうなんですが
自分が食べておいしいものしか出したくない」というのは特に大切にしています。

そのまま食べられるような品質のいちごで加工品を作ったら、絶対おいしいに決まってるじゃないですか。
誰かの手に渡ることになるわけだから、どこへ行っても恥ずかしくないものをつくりたい、
と思うと、自然とそういう結論になった、というわけです。
わたしのいちご」という名前もぴったりですね。
それは、コムデザインラボさんから提案していただいた名前です。
ゼリーのときまでは、実は別のデザイン会社さんにお願いしていたんですが、ちょっとしっくりこなくて…。

ずっとパッケージ印刷をお願いしていた箱屋さんがコムさんのことをご存知だったので、いちごバターが完成して、パッケージとかどうしよう?というタイミングで紹介していただきました。
最初の打ち合わせのときから、展開が早かったよね。
タカギさんのお話にはいつもワクワクしましたし、二人とも納得できたところが多かったです。
「納得できた」とは、具体的にはどんなところが?
タカギさんたちと知り合って、
今までお願いしていたデザインは「」だったことに気がついたんです。
商品のロゴが必要だからロゴをつくる。パッケージがほしいから、パッケージをつくる。

そういう「点」で依頼してるから、そこから広がらないし、うまくつながっていかない。
だから伝わらないし、成果も上がらない。
僕たちはデザインのプロじゃないので、そこを繋げてブランディングするということができないんですよね。
それまでは「パッケージつくってください」ってお願いして「はいどうぞ」とひとつ完成して、
そこから「どうやって売ればいいんですか?」って聞いてみたら
「このマニュアル参考にしてみては?」とマニュアルを渡されて…。

そんな感じで、ずっと一話完結みたいな感じだったんです。
でも、タカギさんは「どうやって売るか」を一緒に考えてくれて、私たちが気づかないところまで、いろいろ提案してくださいました。
僕らは「こんなことやりたい!」という思いはあるけれど、
どうしたらそれが伝わるか?という部分はできない。

おいしいいちごを栽培して、本物のいちごバターをつくって、それをたくさんの人たちに届けたい!と思っていても、「そこからどうすればいいのか」が、掴めないんですよね。
でも、ものを売るためには、流れやストーリーが必要です。

タカギさんたちが、僕らがやりたいことをうまく汲み取ってくれて、必要な点を洗い出してくれて、つくり込んでくれて、その点と点を結んで、線にしてくれたという感じでした。
なるほど。一話完結ではなく、長編にする力が必要ですよね。
そこを一緒に考えるパートナーが欲しかった、と。
そうなんですよね。
以前までは、それなりのクオリティのデザインが上がってきても、どこか完全燃焼できていなかった感じでした。

でも、なぜ完全燃焼できていないと感じるのかすら、わからなかったんです。
そりゃそうですよ。
僕らは農家で、いちごを育てることはできても、そっちは専門外ですから。
タカギさんたちみたいに、一緒に考えてくれる人がいると、とても心強いです。
ロゴとかって本当に奥深くて、どうやって善し悪しを決めたらいいのかわからないんですよね。

昔、サイト上でロゴを募集したことがあったんですけど、ずらっと並べると、どれがいいか?ダメか?なんてもう、わからなくて。
確かに、判断基準が持ちにくいですよね。
そう。
決め手がわからないし、そもそも「決め手ってなんだ?」って迷宮入りしてしまうんです。
「今っぽいから」「可愛いから」「ターゲットに合わせて」みたいなうわべの理由では説得力が弱いし、僕たちもどう決めたらいいかわからない。
でも、今回話を聞いてもらって「こういう理由から、このコンセプトでいくといいと思います!」って筋のある提案をいただいて、とても納得しました。

これを経験して、「ブランディングってこういうことか」と腹落ちしました。
このプロジェクトを通して、
コムデザインラボと共に誕生した商品ブランド
『わたしのいちご』は以下より購入可能です。
その世界観をぜひ一度ご覧ください。
わたしのいちごわたしのいちご
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