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愛知県大府市の農家 大府南いちごファーム インタビュー

大府南いちごファーム
No.07

大府南いちごファーム

Strawberry farm in Obu minami

緑豊かな街なかを抜けるとあらわれる、
かわいい三角屋根の“いちごハウス”。

扉を開けると、甘酸っぱくてフレッシュな
完熟いちごの爽やかな香りがたちこめます。

毎年、たくさんの人で賑わい予約の絶えない
人気のいちご狩り園「大府南いちごファーム」。

葉の緑に完熟いちごの赤が映える
清潔感あふれる、いちごハウスは、
ミストのシャワーとやわらかな光が
いちご一粒一粒を包みこんでいるような
とても気持ちの良い、しあわせな空間です。

いちごを使ったシュワっと楽しい炭酸ゼリーや
バターのコクを堪能できるいちごバターなど
6次産業化にも積極的で、注目を浴びているいちご園です。

2022.5.9

話し手
owner
話し手
大府南いちごファーム
オーナー夫妻
大嶋 厚徳・優子
厚徳さんが40才のときに「何か起業したい」という思いで脱サラし、就農研修、大手いちご狩り園での修業を経て、2012年に「大府南いちごファーム」を開業。厚徳さんが主に栽培を、優子さんはいちご狩りの接客のほか、ファームオリジナルのゼリー作りも担当。
聞き手
interviewer
聞き手
ライター
後藤 麻衣子
名古屋・岐阜で活動するコピーライター・編集者。情報誌の編集・印刷媒体の企画を経験したのち独立。2015年には工業デザイナーの夫と「株式会社COMULA」をスタートし、自社オリジナルブランド「句具」の運営も行う。いちごが大好きな3才と5才の男児の母。
#07-1

「もらって嬉しい」ものを、
この手で育てたい

とても広々としていて、きれいないちご園ですね。
ありがとうございます。
うちのいちご園は、地上から1mくらいで栽培する「高設栽培」です。

ベビーカーや車椅子の方でも快適に楽しんでいただけるよう、通路幅を90センチ以上確保して、
ハウス全体にシートを敷いて清潔感も大切にしています。
いちごの品種は?
いちご狩りの品種は、主に「章姫」です。

もうひとつ「よつぼし」という品種も育てているんですが、収穫にちょっとコツがいるので、
「よつぼし」はいちご狩りには解放していなくて、直売のみです。
いちご園は、お二人で経営されているんですか?
いちご狩りの時期は、わたしたち夫婦二人と母、あとはパートさんにも入ってもらっています。
ほぼ家族経営です。
栽培については夫がメインです。
「大府南いちごファーム」をはじめたきっかけを教えてください。
家が農家とかではなくて、普通のサラリーマンでした

漠然といつか起業したい!という夢は持ちつつ、「何をしようかな?」と考えていたんです。
そんなとき、尊敬する人から「仕事の原点って、食べものをつくることだよね」と言われたことをふと思い出して。

人生に不可欠な食。食べものに関わる仕事は人生の基本みたいなものです。
食に関わる仕事がしたい!と興味を持ち、すぐに「農業だ!」と決めました。
飲食業とか、食品加工メーカーとか、食関連のお仕事っていろいろありますが、
目指したのは「農業」だったんですね。
そうなんです。
すでにあるものを加工するよりも、自分でゼロからつくりあげたい、
という気持ちの方が強かったので。

1を10に、10を100にするよりも、0から1をつくる仕事がしたいと漠然と思っていて、
食を志すなら農業しかない!と思いました。
いちご狩り園の起業に至った経緯は?
まず「農業」と決めただけで「何を育てるか」まで決まっていない段階で、
愛知県立農業大学の「ニューファーマーズ研修」を受けました。

これは就農を目指す人のための研修プログラムで、ここで一年間学びながら、
どの道に進もうか考えていました。
穀物にも憧れましたが、まずは一人でやろうと思っていたので、
狭い面積でもしっかり稼げる野菜や果物がいいかも…と。

そうなると、トマトとか、いちごとか…?と考えていたときに、
「もらって嬉しいのってどっちだろう?」と考えて、「いちごだ!」って。
確かに、私もいちごは特別感があるというか、
ケーキやスイーツもらうのと同じような高揚感があります!
そうですよね!
もちろん、お野菜とかお米をもらうのも嬉しいですが、
フルーツ、特にいちごって、私は特別感があって好きなんです。
いちごは僕にとって、誰からもらっても嬉しくて幸せな気分になるもので、贅沢なイメージがあって。

食べる人はもちろん、もらう人も、あげた人も、みんな喜んでくれるものがいいな、
と思っていたので、だったら「いちご」かもしれないな、と。

たくさんの人が喜んでくれるいちごを育てたい」というのが、そもそものきっかけです。
起業当初、どんないちご園にしようと思って起業されたんですか?
ファーマーズ研修のあと、半田市のいちご狩り園で1年間働いて、
2012年に43才で「大府南いちごファーム」を立ち上げました。

いろんないちご狩り園に行って研究しながら、栽培ベッドの高さや並べ方、
ハウスの形状や屋根のつくりかたなど、園内の環境には特にこだわってつくりました。
いちごを栽培するこの棚のことを「ベッド」って呼ぶんですね。
そうそう、最近はこうした高設栽培のいちご狩り園が増えてますが、
作業もしやすいし、いちご狩りもしやすいし、清潔に保てるので良いです。

一般的に、縦長の栽培ハウスに対して、長辺にベッドを長く配する園が多いんですが、
うちは一本を短くして、短辺に何本もベッドを置いています。
それはなぜですか?
いろんな理由がありますが、いちご狩りの“プライベート感”が高まる、
というのが一番大きな理由です。

お客様には、1人で来ても、グループで来ても、1グループで1列まるごと貸し切るようなスタイルでいちご狩りを楽しんでもらっています。
確かに「この列にはわたしたちしかいない」って、
特別感もプライベート感もあってとても嬉しいです。個室貸切!みたいな感じ。
そうなんです!
プライベート感が違いますよね。
本当はベッドを長くした方がコストダウンにはなるんですが、
でも他の人と同じ列をシェアするよりも、きっと貸切の方が気兼ねないし、
写真を撮ったりするのも楽しいだろうな、と思って。
いちご狩りの楽しさは「おいしいいちごがお腹いっぱい食べられる」というのはもちろん、
それだけじゃなくて「いちごに囲まれた空間にいる」ことの心地良さも、とても大切です。

自分と仲間だけがいる空間をつくることは、いちご狩りの満足度も上がると思っています。
このプロジェクトを通して、
コムデザインラボと共に誕生した商品ブランド
『わたしのいちご』は以下より購入可能です。
その世界観をぜひ一度ご覧ください。
わたしのいちごわたしのいちご
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