
Pâtisserie NUMOROUS
Pâtisserie in Matsumoto Nagano
Pâtisserie NUMOROUS編
インタビュー目次
インタビュー目次



話し手
Pâtisserie NUMOROUS
オーナーパティシエ
大塚 泰裕
大塚 泰裕
埼玉県出身。専門学校を卒業後、みなとみらいの「横浜ロイヤルパークホテル」にパティシエとして就職。その後、鎌倉の「Patisserie 雪乃下」、東京目黒の「パティスリー ジュンウジタ」で腕を磨き、Iターンで長野県松本市に移住して独立。2017年3月「Pâtisserie NUMOROUS」をオープン。


聞き手
ライター
後藤 麻衣子
名古屋・岐阜で活動するフリーライター。情報誌の編集・印刷媒体の企画などを7年経験したのち独立し、現在ライター9年目に入る。2015年、工業デザイナーの夫と「株式会社COMULA」をスタート。甘いものもお酒も大好きだが、今は妊娠のため禁酒中。お酒がしっかり効いたケーキは大好物。
#05-5
描いていた理想や構想の、一歩先の提案

大塚さんの想像以上の提案、とは?
そもそもこの戦略のメリットは「ライバルがいないこと」ですが、
「お酒」というのが前面に出すぎることによって
ファミリー客や、お酒が苦手なお客さんを遠ざけてしまう危険性もありました。
「お酒」というのが前面に出すぎることによって
ファミリー客や、お酒が苦手なお客さんを遠ざけてしまう危険性もありました。
確かに。
都心とは違いますし、地方でやっていこうと思うと…。
都心とは違いますし、地方でやっていこうと思うと…。
そうなんです。
だからタカギさんに言われたのは
「お酒をテーマにしたパティスリー」という直球勝負ではなく、
少しマイルドにした表現をすることで
この地域にも合ったブランディングにしていこう、という提案でした。
だからタカギさんに言われたのは
「お酒をテーマにしたパティスリー」という直球勝負ではなく、
少しマイルドにした表現をすることで
この地域にも合ったブランディングにしていこう、という提案でした。
店名も実は、タカギさんに丸投げしたかったんですけど
「自分の子どもの名前くらい、自分でも考えてみましょうよ~」って言われて(笑)。
「確かにそうだよな」って思って、そこから僕の方でも考えはじめました。
「自分の子どもの名前くらい、自分でも考えてみましょうよ~」って言われて(笑)。
「確かにそうだよな」って思って、そこから僕の方でも考えはじめました。
大塚さんは、どんな店名を挙げたんですか?
「お酒をテーマにする」ことは決めてたので、
「酒」や「香り」をフランス語にしてみたり、
お酒とお菓子をつなげた名前を考えてみたり…と、
いろいろ出したんですけど、全然ダメで。
かなり難航しました。
「酒」や「香り」をフランス語にしてみたり、
お酒とお菓子をつなげた名前を考えてみたり…と、
いろいろ出したんですけど、全然ダメで。
かなり難航しました。
一旦、自分の中で全部ゼロにして
「お店でやりたいことってなんだろう?」と自問自答してみたんです。
「お店でやりたいことってなんだろう?」と自問自答してみたんです。
そしたら?
「変なことしたい」んだった、と。

変なこと??
人とは違うことや
変なこと、おもしろいことをしたいと思ってたんだ、と初心にかえりました。
そしたら「ジョーク」とか「ユーモア」って言葉が出てきて。
ユーモアってかわいいな、と思って調べたら、語源が「ヒューマン」だと知ったんです。
変なこと、おもしろいことをしたいと思ってたんだ、と初心にかえりました。
そしたら「ジョーク」とか「ユーモア」って言葉が出てきて。
ユーモアってかわいいな、と思って調べたら、語源が「ヒューマン」だと知ったんです。
「ジョーク」よりも人想いな「ユーモア」は、
もしかしたら究極のおもてなしの感情かもしれない!と気づいて。
タカギさんに、店名を「ユーモア」にしたいと相談したんです。
もしかしたら究極のおもてなしの感情かもしれない!と気づいて。
タカギさんに、店名を「ユーモア」にしたいと相談したんです。
そしたら、タカギさんは?
タカギさんは、僕の思いを汲み取りつつ、冷静にアドバイスしてくれました。
「ユーモアはありふれた言葉だから、
検索に引っ掛かりにくいし、個性が出しにくいかも」とも。
「ユーモアはありふれた言葉だから、
検索に引っ掛かりにくいし、個性が出しにくいかも」とも。
確かに。
検索は全然引っかからなそう。
検索は全然引っかからなそう。
僕もそのとき「確かに!」ってなりました(笑)。
僕の案を元に、タカギさんが考えてくれたのが「NUMOROUS」です。
「HUMOROUS」のHに斜線を一本足すことで、
NU≒NEW(僕がやりたい新しいこと)と掛け合わせた造語にアレンジするという神業でした。
僕の案を元に、タカギさんが考えてくれたのが「NUMOROUS」です。
「HUMOROUS」のHに斜線を一本足すことで、
NU≒NEW(僕がやりたい新しいこと)と掛け合わせた造語にアレンジするという神業でした。

さすが!
本当に。
やっぱりプロってすごいなあ~と思いましたよ。
やっぱりプロってすごいなあ~と思いましたよ。
新しいことやりたい!おもしろいことやりたい!
ほかのケーキ屋さんがやってないことをやりたい!っていう僕の気持ちと、
バチっとハマった感じがしました。
「ユーモア」より「ニューモラス」の方が、語呂もいいですしね。
ほかのケーキ屋さんがやってないことをやりたい!っていう僕の気持ちと、
バチっとハマった感じがしました。
「ユーモア」より「ニューモラス」の方が、語呂もいいですしね。
検索ワードとしてもバッチリですね!
それでどんなショルダーネームを考えたんですか?
僕は「お菓子なことを真面目に」というのを出しました。
僕のアイデアがあまりにも頼りないからか(笑)、
KOMさんの方でも考えてくれていたみたいで。
僕のアイデアがあまりにも頼りないからか(笑)、
KOMさんの方でも考えてくれていたみたいで。
KOMさんからは「香りと甘み研究所」という案をいただいて、
僕の「お菓子な」だけ採用してもらって、
最終的に「お菓子な香りと甘み研究所」が誕生しました。
僕の「お菓子な」だけ採用してもらって、
最終的に「お菓子な香りと甘み研究所」が誕生しました。
「お酒をテーマにした」ということもふんわり伝えつつ、
全面的に出すぎない、とてもいいショルダーネームと店名ですね。
全面的に出すぎない、とてもいいショルダーネームと店名ですね。

タカギさんたちには、いい落としどころを見つけてもらえたと思います。
「お酒」を全面に出していきたい気持ちは強いけど、
出しすぎるとターゲットが狭くなりすぎてしまうというのは、
タカギさんに当初からアドバイスをしていただいていて。
こうしてできあがってくると「なるほど!こういうことか!」と腑に落ちました。
「お酒」を全面に出していきたい気持ちは強いけど、
出しすぎるとターゲットが狭くなりすぎてしまうというのは、
タカギさんに当初からアドバイスをしていただいていて。
こうしてできあがってくると「なるほど!こういうことか!」と腑に落ちました。
店名は、大塚さんとタカギさんで考えた店名ってことなんですね。
一応、そういうことになりますかね。
僕こう見えて、超考えるタイプなんですよ。
考えて考えて「これだ!」と思ってタカギさんに話すと、
それをベースにしつつ、
全く思いつかなかったような一段も二段も上の提案が返ってくるから、
「ほぉ~なるほど、やっぱりプロだなあ」と感心しきりでした。
考えて考えて「これだ!」と思ってタカギさんに話すと、
それをベースにしつつ、
全く思いつかなかったような一段も二段も上の提案が返ってくるから、
「ほぉ~なるほど、やっぱりプロだなあ」と感心しきりでした。
タカギさんと話すたびに、考える気失せますよ、いい意味でね(笑)。
いつも、「僕の考え、見透かされてるのかな?」と疑ってます。
いつも、「僕の考え、見透かされてるのかな?」と疑ってます。
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