名古屋・東京の空間ブランディング・店舗デザイン事務所 コムデザインラボ

長野県安曇野市のパン屋 あづみのるベーカリー インタビュー

No.06
あづみのるベーカリー
Bakery in Azumino Nagano
話し手
owner
話し手
あづみのるベーカリー
オーナー夫妻
小池 稔・美保
専門学校を卒業後、それぞれ調理や接客など経験を積み、2010年に地元・長野県のベーカリーで出会い、結婚。その後、東京のベーカリーなどで修業を積んだのち、Uターン。自宅の敷地内で「あづみのるベーカリー」をオープンした。稔さんは長野県松本市、美保さんは長野県池田町出身。
聞き手
interviewer
聞き手
ライター
後藤 麻衣子
名古屋・岐阜で活動するフリーライター。情報誌の編集・印刷媒体の企画などを7年経験したのち独立し、現在ライター9年目に入る。2015年、工業デザイナーの夫と「株式会社COMULA」をスタート。朝はパン派。フランスパンやリュスティックなど、ハード系のパンをワインに合わせるのが好き。
#06-2

二人ならきっと叶えられる、独立開業の夢

東京のホテルから長野へUターンしたのは、どんなタイミングだったんですか?
30歳のとき、事情があって一旦仕事を辞めて実家に帰ってきたんです。
数ヶ月間は無職だったんですが、「さすがにこれはまずいな」と思い、地元のパン屋で製造補助のバイトをすることにしました。そこで妻と出会ったんです。
私も同じタイミングで、そのパン屋さんに就職しました。
美保さんは、ずっとパンの道に?
いえ。
それまではお菓子屋さんで働いたり、飲食店で接客を経験したりしていました。
パン屋さんで働いたことはなくて未知の世界だったので、興味本位で「パン屋さんってどんな感じだろう?」って思って。
「いろんなことを吸収してみたい」という軽い気持ちで入りました。
お二人はそこで出会って、職場結婚されたんですね。素敵!
付き合ってるときから、「いつか二人でお店を持てたらいいね」「そのためにも東京に行きたいね」という話はしていました。
お二人とも独立願望が?
「いつか自分の店持てたらいいだろうな」という憧れはずっとありました。
でもそれはあくまで憧れであって、「僕一人でできるかな…」という不安も大きかったのも確かです。
僕ができるのは、パンを焼くことだけなので。
なるほど。
接客が得意な美保さんと二人になったことで、より独立が具体的に?
そうですね、「妻と二人ならできるかも」と。
僕が持っていないものを彼女は持っているので、二人で話すうちに、店を持つことが現実味を帯びていったんだと思います。
そこから開業に向けて、どう動いたんですか?
まずはベーカリーで修業しながら、開業資金を貯めようということになって、二人で東京へ。
同じお店で働いたんですか?
いえ、違うお店で働きました。
僕は2つのベーカリーで働きました。
1店舗目は、バゲットなどのハード系が有名な「Boulangerie AUX BACCHANALES」。
2店舗目は、東京ディスニーリゾート内にある「イクスペアリ」の直営ベーカリーでした。
東京での修業期間はどうでしたか?
それまで10年くらい、パン職人としてのキャリアがあったので、きっと難なくやれるだろうと軽く考えていたんですが、自分の経験が全然通用しなくて…。
とても大変でした。
パンのつくり方には本当にいろんなやり方があって、人それぞれ正解が違うんだなあと痛感。
でも東京での3年間に知識も技術も蓄えて、パンに対する考え方もぐんと広がりましたし、引き出しも増えました。
なるほど。
「こんなお店にしたい!」という気持ちも?
そうですね。
東京で働いていたときに、自分の中のパンづくりのベースができた感じはありましたね。
そのうちに「もっとこうしてみたい」「こっちの方が好きかも」っていう理想が出てくると、いよいよ自分の店じゃないと実現できないな、と。
自分だけの店の舵取りをしたいと強く思うようになりました。
美保さんは、どんなお店で働いたんですか?
東京ではいろいろ経験していろいろ学びたいと思ったので、ベーカリーはもちろん、ホテルや百貨店などでも働きました。製造補助も接客も、幅広く経験を積めたと思います。
東京に行って、改めて学んだことはありますか?
東京って、センス…というか、お店もお客さんもとても感度が高いので、とても刺激的でした。
東京で働きながら、自分たちの店をつくる構想も?
そうですね。
東京で刺激をもらいながら、お互い考えてましたし、そういう話もよくしました。
でも結局は店名も何も決まらないまま帰って来ちゃったよね。
確かに。向こうでは理想を語り合ってただけで、なかなか決まらなかったよね。
Uターンしたのは、どんなタイミングで?
2010年に東京へ出て、2014年に帰ってきました。
安曇野に大型ベーカリーがオープンすることを知って、「そこで働きながら資金を貯めつつ、安曇野で物件探しをはじめていこう」と決めて帰って来て、早速面接に行ったんです。
面接で「いずれは自分でお店を持ちたいと思っている」ということも正直に話したんですが…。
そこのベーカリーの社長に「それなら、今すぐやれ」と言われてしまって。
え?
「今うちに勤めちゃうと、結局サラリーマンで終わっちゃうよ」って。
「本気で店を出したいと思ってるんなら、今すぐ動き出しなさい!」と背中を押してもらって、それがきっかけで、本格的に開業に向けて動き始めました。
意外な人に背中を押されましたね。
今思うと、確かにそこで勤めていたら、だらだらと時間だけが過ぎていたと思うので、そう言ってもらえてとても感謝しています。
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