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オーナーさんへのインタビュー

1969年から続く知多市の理容室。2010年9月にリニューアルするタイミングで携わらせていただき、コムデザインラボとして独立して初めて手がけたお店です。デビュー作でもあり、アイデアマンであるオーナー濱野氏との数々の仕事の経験が、KOM のブランディングの原点であるため、共に歴史を作っている、そんなお店です。(代表タカギ談)
愛知美容専門学校を卒業後、20歳で上京。東京・大阪の理容店で10年働いたのち、実家の理容店「はまゆう」へ。2010年、結婚を機に店を全面リニューアルし、「トータルプロデュースサロン HAMAYU」として再出発した。
愛知県知多市出身。
名古屋・岐阜で活動するフリーライター。情報誌の編集・印刷媒体の企画などを経験したのち、独立。今の職に就く以前は、1年間ほど美容院で働いていた経験もある。理容店へ来たのは、中学2年生まで父と一緒に通っていた近所の床屋以来。
HAMAYUさんのメニューを拝見してると、
カットやカラーはもちろん、シェービングやエステ、ネイルにマッサージ…と、
いろいろあるんですね。

「カットするだけじゃないサロン」をコンセプトに、
トータルプロデュースができるサロンとしてリニューアルしました。

そもそも、我々理容師はその昔、
王様の“あつらえごと”を担っていたことが起源なんです。

王様の“あつらえごと”?

理容業は、ヨーロッパから来た「西洋理髪」がルーツです。
「トンソシアル」という社会的地位の位置付けがあったのが始まりだと言われています。

トンソシアル? って、何ですか?

王様のお抱えの理髪師のことを、当時そう呼んでいたそうです。

12世紀のヨーロッパでは、現代の理美容業ほど仕事が細分化されていなかったんですよね。
そのため理容師が、外科医も歯科医師も兼ねていたんです。

髪を切ってひげを整えるだけじゃなく、怪我の治療もするし、必要ならメスも入れるし。
そういうすばらしい技術の持ち主が「トンソシアル」と呼ばれる人たちでした。

床屋の入り口でクルクル回ってるサインボールって、赤・白・青の3色でしょ。
あの色は、赤は動脈、青は静脈、白は包帯を表してると言われているんです。

へぇ~。
理容師さんのルーツは、そんなところから来てるんですね。

そう。
上級階級のお抱え理容師は「トンソシアル」という称号を得て、
王様のあつらえごとをしていましたが、それが一般にも広まっていきます。

庶民向けの理容師が「トンソーネ」と呼ばれていた人たち。
彼らも同じで、髪も切るし、お医者さんとしても絶大な信頼を集めていました。
理容業の原点はそこなんですよね。

なるほど。
今では絶対に考えられない仕組みですね。

そう、そうなんですけど、
でも僕は今こそ、この時代への「原点回帰」の時だと考えてるんです。

えっ!

もちろん、今から外科医になろうなんて思ってませんけど(笑)。

我々が今、やらないといけないのは、「床屋は髪を切るだけの場所」という考えの払拭。
自分自身にもっと投資をする時代がやってくる、このタイミングで、「すべてをお任せできる場所」として認識してもらえるサロンになるべきだと思うんです。

幸い、嫁さんがネイリストなのもあり、彼女がネイルやエステを担当してくれますし、髪を切ったり顔を剃ったりすることは僕ができますしね。

トータルでプロデュースができる体制が整っているからこそ、
「理容室ってカットするだけじゃないよ!」ってことをお客さんにお伝えしたいんです。

確かに、髪を切る時じゃないと、
行っちゃいけないようなイメージ、理容室も美容室もまだありますよね。

そうなんですよね。

でも、これからは違うと思うし、僕らがその歴史を作りたいとも思ってます。
ネイルだけでも、マッサージ+シェービングでも、何でも良いんです。
足の爪切りに来るだけでもいいし。

足の爪切り?

そうそう、老眼になると足の爪ってよく見えないし、切りにくいし、
けっこう危ないんですよ。

だったら、それだけでもうちに来てもらえたらうれしいし。

頼もしいですね!

「服から出てる部分については、全てあつらえます」っていう気持ちで、
昔、トンソシアルやトンソーネが活躍した時代のような存在になりたいと思ってます。

そういう時代がきっとまた来るはずですし、
そのためにもいろんなことができる店にしないと!と思ってます。

だから、「原点回帰」。

そう。
今こそ原点回帰をして、全てをプロデュースできる存在になりたい。

だから、カットやカラーはもちろん、
シェービングやエステ、ネイル、マッサージも取り入れた
「トータルプロデュースサロン」を名乗ってるんです。

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