1969年から続く知多市の理容室 トータルプロデュースサロンHAMAYU インタビュー

No.03
トータルプロデュースサロン
HAMAYU
Total produce salon in Nishino-dai Chita
話し手
owner
話し手
Total Produce Salon HAMAYU
濵野弘照・英理夫妻
愛知美容専門学校を卒業後、20歳で上京。東京・大阪の理容店で10年働いたのち、実家の理容店「はまゆう」へ。2010年、結婚を機に店を全面リニューアルし、「トータルプロデュースサロン HAMAYU」として再出発した。 愛知県知多市出身。
聞き手
interviewer
聞き手
ライター
後藤 麻衣子
名古屋・岐阜で活動するフリーライター。情報誌の編集・印刷媒体の企画などを経験したのち、独立。今の職に就く以前は、1年間ほど美容院で働いていた経験もある。理容店へ来たのは、中学2年生まで父と一緒に通っていた近所の床屋以来。
#03-3

「お客様目線」を大切にした空間づくり

お店のリニューアルに取り掛かった時、まずはどうやって動いたんですか?
理美容業界の設備・機器の販売や空間作りを専門とする会社2社に、
デザインと見積もりを依頼しました。

それと同時期に、うちのお客さんに工務店の方が居らっしゃったので、
「店を改装したいんですよ~」なんて話をしてたんですよね。

そうこうしてるうちに、依頼した2社からデザインと見積もりが上がってきたんです。
まずそこで1社を選んで「ここにしようかなぁ」なんて考えながら、
デザイン修正を数回繰り返しました。

一方、お願いした工務店さんは空間デザインをコムデザインラボさんに依頼したみたいで、その方と高木さんが、提案に来てくれたんです。
それが高木さんとの初対面でしたね。
コムさんの提案を見た時の第一印象は?
ほかと比べると、秀でてました。
妻も「なんか、ここ良さそうだね!」って言ってましたし。
どんなところが違ったんです?
大手は、「要望をしっかり叶えつつ、業界の最先端も取り入れたデザイン」っていう感じ。
それはそれで良かったんですけど、どこか「大手っぽい」というか、
「理美容業界っぽい」デザインだったんですよね。

それに対して、高木さんのデザインは、単純に人の目を惹き付けるものでした。
高木さん自身が当時は、理美容業界の空間デザインの経験が浅かったこともあって、
大手さんとは全く切り口が違ったんですよね。
両方見た時に、コムさんのデザインがお気に入りだったってことです?
そうですね。
ただ、僕は素人なので、デザインの良し悪しはハッキリ言ってわかりません。
でも、僕自身が「人と一緒じゃイヤだ」ってタイプですし、
パッと見た時の印象で「コムさんのデザインの方が好きだなぁ」って感じたんですよね。
それでコムさんに決めた、と。
はい。
それまで数回デザインを出してもらった会社には申し訳なかったけど、
僕も妻も納得できるところにお願いしたいという気持ちは一致したので、
そちらはお断りして、高木さんにお願いすることにしました。
一番の決め手ってどこでした?
デザインももちろん良かったんですが、
なんだかんだ言っても、一番の決め手って、やっぱ人間だと思うんですよね。

フィーリングというか…、人間的な波長が合ったんですよね、きっと。
僕自身、第一印象とか、最初の感覚をとても大事にしてるんです。

高木さんは、初めて会った時に「なんか合いそうだな」って直感的に思いました。
でも、そういえばHAMAYUさんのこの案件、
高木さんにとって「独立して初めてのお仕事」だったって聞きました。
その点への不安みたいなものってなかったんですか?
それは全くなかったです。

「独立すんの?いいじゃん!じゃあ、もしうちの案件やることになったら一番乗りだね!」みたいなノリでした。
マイナスな考えはなかったんですね。
はい。
改装が完了してから改めて感じたことは、
やっぱり「コムさんは理美容専門の業者じゃない」ってこと。

それを選んだのは僕だし、結果的には正解だったと思ってます。
と、言いますと?
働く側の利便性よりも、
お客さんの「個」を一番大切にした空間になったな、というのが感想です。
「個」を大切にした空間?
プランニングの時、
もともと「個室は、くつろげるスペースにしたい」って高木さんに伝えてたんです。

大手さんが提案してきたデザインは、「個室であることをそれなりに大切にしながら、いかに働きやすさを追求するか」という点の、その双方に重きを置いてたんですよね。

数々の実績を元に、理容師の「働きやすさ」重視で空間を作ってくれる。
ゆえに、機能的・動線的には申し分ないんですけど、何だかどこかで見たことのあるような感じで。
なるほど。
高木さんのデザインは、
「個のスペースを作りたい」っていう要望に真っ直ぐ応えてくれた、そんな感じでした。

…って、できあがってから実感しました。
お客さんが、「今、ここは自分だけの空間なんだ」ってことに浸れるような空間。
「居心地の良さ」に、一番スポットを当ててくれてたんですよね。
働く人よりも、お客さんの方にスポットが当たってる空間、ってことですか?
そう。
もともと僕の要望も「くつろげるスペースにしたい」でしたし。

「働きやすい」視点を最重視する前に、「居心地が良い」視点が勝ってたから、お客さんを一番に考えた設計になったんだと思います。

働きやすさももちろん大事だけど、やっぱりこの空間の主役はお客さんなんですよ。
優先すべきはそこ。

多少、動線が崩れても、僕らがお客さんのために余分に動けばいいことですしね。
逆に、動きやすさを重視しすぎた空間だと、
もしかしたらどこかの理容室と似たような設計になっていたかもしれないんです。
なるほど。
「お客さん目線」を一番に考えて設計できたのは、高木さんだからこそ。
これは、店ができあがってから気づいたことでしたね。
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